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第270話 iPhone13発売へ スマホに欠かせない部品「MLCC」とは?

2021.09.22

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、丸の内のカフェでコーヒーを飲みながら投資談義を行っています。


T:9月15日に米Appleのアップルイベントが開催され、待望のiPhone13が発表されました。早速、巷では新機能などの話題で盛り上がっていますね。

神様:スマートフォンの販売は年末商戦が勝負ですから、このタイミングでの発表がベストでしょう。私からは内容には触れませんが、今日は関連した話題を一つご紹介しましょう。

T:よろしくお願いします。

神様:前回( 第268話 「iPhone13」発売はいつ?毎年iPhone発売が注目される理由 )のお話のように、iPhoneを始めとしたスマートフォンには、高い技術力をもった日本の中堅メーカーの部品が多数供給されています。その部品の一つとして「MLCC」が注目されています。

T:MLCC?初めて聞きました。

神様:「multi-layer ceramic capacitor」と言い、日本語では「積層セラミックコンデンサ」です。Tさんは、コンデンサは知っていますよね?

T:はい。電気を蓄積したり放出したりする電子部品のことで、電子機器には欠かせない存在です。

神様:その通りです。ではセラミックスは何かご存知ですか?

T:セラミックスは、陶器や磁器のような無機材料を言いますが、直流の電気を通さないなど、その特性からコンデンサなどの電子部品として多く用いられています。

神様:その通り、よくご存知ですね。また、直流の電気を通さないセラミックスやプラスチックなどのことを誘電体と言います。MLCC、積層セラミックコンデンサとは、セラミックスの誘電体と金属電極を多層化することで、より小型化・大容量化が図られたコンデンサのことを言います。用途としては、スマートフォンだけでなく、パソコン、産業機器や車載向けなど様々な分野で活躍しています。

T:まさに、これから伸びそうな電子部品ですね。

神様:おっしゃる通りです。セラミックコンデンサの生産推移を見てみると、数量・金額ともに右肩上がりで上昇しています。秋口にかけて、スマートフォンの年末商戦へ向けた新製品の生産の作りこみが本格化します。MLCCの好調な需要が継続すると思われます。需給のひっ迫を背景に製品単価も堅調に推移していますし、MLCCメーカーの収益性向上に貢献するでしょう。

T:日本のMLCCメーカーに注目ですね。

神様:日本には、MLCCメーカーのパイオニア的存在の企業を始め、業績を伸ばしている企業が複数あります。今後もチャンスが続くのではないでしょうか。

T:今後は、私たちがこれまでに見てきた半導体やICの動向と同様に、世界的に進むデジタル化に伴いMLCCの需要も増えていく、と考えて良いでしょうか?

神様:もちろんです。世界的なデータ通信量の拡大を背景に、データセンター向けや、各種電動車、自動運転車用半導体向けに中長期にわたってMLCCの需要拡大が続くと思われます。特に車載向けでは、高い信頼性が求められますし、搭載個数の増加と大型化が進みます。MLCCや材料メーカーのビジネスチャンスの広がりに期待したいところです。

(この項終わり。次回9/29「アフターコロナでも拡大続く 電子書籍の未来に期待」掲載予定)

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