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第272話 50歳代に人気 今なぜバイク熱が高まっているのか?

2021.10.13

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、公園を散歩しながら投資談義を行っています。


T:秋らしい心地よい風が吹いていますね。緊急事態宣言も明け、久々に行楽の秋となりそうです。

神様:政府も、菅首相から岸田首相にバトンタッチし、10月末には衆院選もあります。今秋は区切りの季節となりそうです。ところでTさんは、バイクには乗りますか?

T:バイクは乗りませんね。若い頃に一度免許を取ろうと思ったことはありましたが、結局挫折しました。

神様:そうですか。今、密かにバイク熱が高まっているのはご存知ですか?

T:いいえ知りませんでした。なぜバイクが盛り上がっているのでしょうか?

神様:そこはTさんに考えていただきましょう。なぜだと思いますか?

T:バイクは単独で乗ることが多いですから、密を避けるのには最適ですね。最近はYouTubeでもツーリング動画をよく見かけるようになりました。一人で山などへ行き、テントを張ってキャンプを楽しむ「ソロキャンプ」も流行っています。そう考えると、バイクに乗りたい人が増えているのもうなずけます。

神様:いいですね。具体的に数値で見てみましょう。2020年の普通二輪(自動二輪車)免許の交付件数を見ると、2020年から1万5,309件増の18万6,911件でした。これは3年連続の増加です。大型二輪免許も見てみると、2020年の交付件数は2020年から6,854件増の8万1,612件で、4年連続の増加です。

T:国内の二輪免許交付件数の推移を見ると、2008年から2017年までは減少を続けていたのですね。2017年以降で増加に転じています。

神様:ということは、コロナ禍の前から増加が始まっていたことになります。2020年の伸びが大きいのはコロナ禍の影響と言えるでしょう。2020年の免許取得件数は普通二輪、大型二輪ともに、どの年齢層でも前年を上回っていますが、中でも50歳代の伸びが大きいのです。普通二輪が16.4%増で10年連続の増加、大型二輪が14.1%増で4年連続の増加で、全体の伸びを牽引しています。また、60歳代以上も高い伸びとなっています。

T:50歳代と60歳代ですか、シニア層によるバイク熱の高まりが背景にあるということですね。

神様:そういうことですね。コロナ禍で密を避ける側面以外に、人生100年時代を迎えたシニア層の趣味としてのバイクというのも、要因の一つに挙がりそうですね。さて、世界の二輪車販売台数を見てみると、2020年は落ち込みましたが今後は高い水準での推移が予想されています。特に今後は二輪車にも「電動化」の波が押し寄せます。バイクの買い替えも含めて関連する企業には様々な恩恵があるかもしれません。

T:そう言えば、国内のバイクメーカーでCO2排出量の削減目標を見直し、2050年までに90%のCO2排出を削減すると発表したニュースがありました。今後電動化が進んでいくとなると、バイクファンの中には、これまでのバイクがなくなる寂しさを感じる人もいるかもしれませんね。

(この項終わり。次回10/20「少子高齢化で急がれる保険業界のDX」掲載予定)

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