第274話 企業5割超がIT人材「足りない」 IT人材確保に必要なことは?

2021.10.27

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、都心にあるホテルのラウンジで投資談義を行っています。


T:10月14日に衆議院が解散され、10月31日投開票に向けて衆議院選挙が公示されました。今後の政策議論に期待したいですね。

神様:10月12日には岸田首相が属する自民党の選挙公約が発表されました。新型コロナウイルスの感染拡大によって疲弊した業界への支援や重要技術への成長投資などが盛り込まれました。今後は、選挙後の経済対策に対する期待感もさらに高まるのではないでしょうか。

T:衆議院議員は解散がなければ任期は4年間。前回の話( 第273話 少子高齢化で急がれる保険業界のDX )からも、この4年間は日本にとって非常に重要な期間のように思います。各候補者が掲げる政策をしっかりと見て、一票を投じたいところです。

神様:おっしゃる通りです。今日は前回お話したDXに関連して、もう少しお話しようと思います。

T:よろしくお願いします。

神様:リクルートが10月5日に発表した「2021年度上半期 中途採用動向調査」によると、中途採用充足率が100%以上である企業は全体の17.7%でした。一方で採用未充足だった企業は70.5%で、そのうち、採用充足率が50%未満の企業は46.1%を占めました。

T:「中途採用充足率」とは何でしょうか?

神様:ここでは、企業の中途採用計画人数に対し、入社ベースでの採用実績人数の割合のことを示しています。

T:つまり、中途採用充足率が100%以上ということは、採用実績人数が採用計画人数以上であったということですね。そして、70%以上の企業で採用実績が採用計画人数以下となり、46.1%の企業では計画の半数未満しか採用できなかったことになりますね。

神様:その通りです。業界ごとで見てみると、採用充足企業の割合が低い業界が分かりますが、下位2つの業界がインターネット業界とIT通信業界です。社会全体でDX推進が活発化し、採用が追いついていない、十分な人材が確保できていないことが要因です。

T:まさに「2025年の崖」( 第273話 少子高齢化で急がれる保険業界のDX )へ向かっているわけですね。

神様:内閣府が発表した「令和3年度年次経済財政報告」の中でも、今後の成長に向けた課題として、DXへの取り組みの加速、人材育成を挙げています。この報告の中で、企業全体の55.4%でIT人材が「足りていない」と回答している調査結果もあり、人材の育成と投資の必要性が説かれています。

T:DX人材の育成や確保のために必要なことは何でしょうか?

神様:これまでの既存システムに携わっている人材をシステムの維持・保守業務から解放し、最先端のデジタル技術分野にシフトさせることや、企業でのデジタル技術の活用、事業のデジタル化、さらにはデジタル技術を活用した新規市場の開拓などが必要とされています。経営者の意識改革や、技術者に限らずとも新しいデジタル技術への理解も必要となるでしょう。もちろん、年齢を問わずデジタル技術を学びたい人に向けた教育の機会も欠かせません。

T:リモートワークやアフターコロナの新しい働き方など、魅力ある環境づくりも必要ですが、どれも一朝一夕で解決できるものではありませんね。

神様:採用も育成も難航するでしょう。しかし多くの企業と人材のマッチングサービスや派遣を展開する企業では、DX人材に特化したサービスやIT人材のマッチングサービスなどを提供しています。これらの企業の活躍にも期待したいですね。

(この項終わり。次回11/3「建設機械の出荷額がコロナ禍前の水準に回復 今後は?」掲載予定)

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