第275話 建設機械の出荷額がコロナ禍前の水準に回復 今後は?

2021.11.03

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は秋晴れの公園を散歩しながら投資談義を行っています。


T:日本国内で新型コロナウイルスの新規感染者数が減少し続けています。首都圏では飲食店での酒類提供を含めた通常営業も始まり、いよいよ経済活動の再開が本格的に見えてきましたね。

神様:海外では再び感染拡大が見えているところもあります。まだまだ油断は禁物ですが、経済への追い風を期待したいところです。

T: 8月頃と比べて日本の感染者数は急激に減少しましたね。

神様:あの頃が本当に正念場であったと言えるように、今後も感染対策をしっかり行って過ごしていきたいですね。さて、今日は建設業界の動向を見ていきましょう。10月1日、日本建設機械工業会から2021年8月度の建設機械出荷金額が公表されました。

T:建設機械とは何でしょうか?

神様:日本建設機械工業会では、トラクタ(ブルドーザやホイールローダなど)、油圧ショベル、ミニショベル、建設用クレーン、道路機械、コンクリート機械、基礎機械、油圧ブレーカ圧砕機、その他建設機械、補給部品の各項目に分けて、毎月の国内出荷金額、輸出出荷金額を発表しています。建設機械はこれら建設に関わる機械のことを指しています。

T:当然ですが、出荷額が多いほど建設活動が活発化しているということですね。

神様:はい。建設機械出荷額は2020年4月から8月ごろにかけて大きく落ち込みました。2021年8月の補給部品を除いた建機出荷額は1,807億円と前年同月比で52.6%の増加となりました。これは10か月連続の増加です。

T:10か月前となると、2020年11月から増加が続いているということですね。

神様:国内と輸出をそれぞれ見ると、国内が前年同月比で6.1%増の645億円と2か月ぶりの増加、輸出では前年同月比で2倍の1,162億円と10か月連続の増加となりました。

T:出荷額増加の背景としては、やはりワクチン接種が進み経済活動の正常化が進んだことと見てよいでしょうか。

神様:その通りです。コロナ禍の反動もありますし、また、世界各国の経済対策や資源高も建設機械の需要を喚起し、出荷額の増加につながりました。建設機械の主力4機種の2021年4月から8月の累計出荷額を見てみましょう。主力4機種とは、油圧ショベル、ミニショベル、トラクタ、建設用クレーンを指します。コロナ禍の2020年は2019年と比べていずれも落ち込みましたが、2021年はコロナ禍前を上回るか同水準まで回復しています。

T:建設用クレーンだけは、2021年が2020年より落ち込んでいますね。

神様:これは建設用クレーンが民間需要中心であることが要因でしょう。

T:いずれにしても、わずか1年でここまで回復していることに驚きます。

神様:日本建設機械工業会では、今後の需要予測も公表しています。それによると、建設機械の出荷額は2021年度(4月~2022年3月)が前年度比で14.5%増の2兆2,182億円。2022年度は2021年度予想比で3.6%増の2兆2,979億円と今後も増加が続くと予測しています。感染再拡大の動向が気になるところではありますが、建設業界、建設機械関連の業界の今後の活躍を期待したいと思います。

(この項終わり。次回11/10「21世紀は宇宙ビジネス成長の時代へ 日本の宇宙政策を考える」掲載予定)

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