第276話 21世紀は宇宙ビジネス成長の時代へ 日本の宇宙政策を考える

2021.11.10

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、コスモス畑が見えるカフェで投資談義を行っています。


T:10月31日投開票の衆議院選挙が終わり、与党は自民、公明両党合わせて過半数以上の議席を確保しました。第2次岸田政権が誕生し、新たな政権運営がスタートします。

神様:日本はエネルギー、安全保障、環境問題やDXなど、課題が山積みです。これらを解決するには長い時間が必要となり、世界各国で足並みを揃える必要もあるでしょう。コロナ対策への評価はもちろん、国内外の問題の解決に向けて政権の安定を重視した国民の判断であるとも思います。

T:コロナ禍での経済対策としては現金給付も議論されています。今後発表される経済政策にも注目したいですね。

神様:経済政策については、政権の議論を待ちたいところですね。今日は目先の経済からは離れて、宇宙ビジネスについて見てみましょう。Tさんは、今、宇宙ビジネスが盛り上がっていることをご存知ですか?

T:確かに盛り上がっていますね。9月15日には、米国のスペースXで世界初の民間人だけによる有人宇宙飛行が行われ、打ち上げから帰還まで無事に遂行されました。今は宇宙飛行の様子もインターネット中継で気軽に見られるようになり、宇宙を身近に感じられるようになりました。ひと昔前とは隔世の感があります。

神様:宇宙関連団体の米スペースファウンデーションの発表によると、2020年における世界の宇宙産業市場規模は前年比で4.4%増の4,470億ドル日本円では約50兆円に拡大しました。衛星産業を中心に、安定した成長を続けています。

T:宇宙の衛星産業( 第175話 「官」から「民」へ 宇宙ビジネスが面白い )については以前家族でも話したことがあります。最近では衛星の観測データを資源開発、農作物の生産管理、まちづくりなどに利用し、ビッグデータ、AI、IoTなどの技術の活用により、様々な宇宙利用サービスが創造されているようです。

神様:それらの宇宙利用サービスの創造により、宇宙産業の裾野が広がってきています。政府も、2020年6月、今後20年を見据えた10年間の国の宇宙政策の基本方針「宇宙基本計画」を改訂しました。基本計画では、宇宙安全保障の確保、災害対策、国際宇宙探査、民間企業の参画などを目標に、具体的に取り組む内容が盛り込まれました。さらに政府予算も増額の流れにあります。令和4年度予算の概算要求における宇宙関連予算は4,847億円となり、前年度当初比で42%の増額となりました。

T:国際宇宙探査では、米国のアルテミス計画に日本も参画していますね。これは、2024年の月面着陸、2028年頃の月面活動の本格化を目指すもので、日本が米国と協力してどのように実現していくのか、私も注目しています。また、衛星では日本の準天頂衛星システム「みちびき」が2018年11月からサービスを開始し、高精度で安定した衛星測位サービスを実現しています。2023年には7機体制を目指し、衛星データの活用がさらに進められていくことになりそうです。

神様:政府は宇宙産業の国産化を進める方針を掲げています。民間の参入増加に伴い、新たなサービスが生まれ、長期にわたる市場の拡大が期待できると考えます。

T:民間と言えば、北海道大樹町では、2021年4月からアジア初となる民間に開かれた宇宙港「北海道スペースポート」が本格稼働しました。広い大地を持つ北海道に、宇宙版シリコンバレーを作るという目標のもと、意欲的な宇宙ベンチャーが集まっているようです。ひょっとしたら、将来は北海道が新しい宇宙ビジネスの発信地になるかもしれません。楽しみですね。

神様:21世紀はまさに、宇宙ビジネスが大きく成長していく時代となるかもしれません。今後に期待しましょう。

(この項終わり。次回11/17「コロナ禍で成長加速するQRコード決済 今後の注目ポイントは?」掲載予定)

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