兜のささやき兜のささやき

第28話 その株は割安か?割高か?(その2)

2016.12.07

株の神様に株式投資のコツを教えてもらっているTさんは、奥さんA子さんや高校生の娘Y、中学生の息子Sに、割安な株と割高な株を見極める判断指標の一つとしてPER(株価収益率)を教えました(第27話参照)。他にも判断指標があるようです。


T:PBR(株価純資産倍率)というのも株の割安/割高を判断する代表的な指標の一つだよ。企業の財政状態を示す貸借対照表上の純資産(株主資本)を、その会社の発行済株式数(発行済株式総数-自己株式数)で割って、1株当たり純資産をまず求めて、この1株当たり純資産に対し、株価が何倍まで買われているかを表したのがPBR(Price Book-Value Ratio)なんだ。計算式は株価÷1株当たり純資産、単位はPERと同じで倍だよ。

S:またまた難しいな~

T:例えば、1株当たり純資産が1,000円、現在の株価が1,500円なら、PBRは1.5倍だよね。これが1に近づいていけば割安で、2倍、3倍となっていけば割高と言えるんだ。

A子:PERと同じで、同業種で比べたり、会社の過去と未来で比べたりするということね?

T:そう、PERは会社の収益力を判断する指標だけど、PBRは会社の財務体質などを判断する相対的な指標になるね。同業他社間で比較すればPBRが低い方が、財務内容的に見て割安ということになる。面白いのは、PBRが1倍の場合は、株価と1株当たり純資産が等しいということになり、もし、その時点でその会社が解散したら、計算上は投資した金額がそのまま返ってくることを意味しているんだ。

S:そうか、PBRが高いということは、会社がもし解散したら、戻ってくるお金の割合が少ないと考えればいいんだ。それはわかりやすいね。同じ金額を投資するなら、戻ってくるお金が多い方が、それは割安でお得だよね。

Y:じゃあ、PBRが1以下だったら、ものすごくお買い得ということ?

T:そうとも言えるけど、ただ、会社が経営不安に陥っていることで、PBRが1倍を割り込んでいるような場合もあるから、会社の業績、財務内容をよく調べることが大事だね。
いずれにしても、PERやPBRは絶対的なものではなく、あくまでも一つの目安であり、複数の株価指標を組み合わせて判断することが重要なんだ。他にも指標があるから、自分達で調べてみるといいよ。

S:えっ、それって宿題?

一同:

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