第295話 惣菜売上が好調 「勝ち組」スーパーマーケットの条件とは

2022.03.30

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、都内の神社の境内を散歩しながら投資談義を行っています。


T:東京では3月20日に桜が開花しました。平年より4日早いそうです。いよいよ桜シーズンが始まりますね。

神様:2020年4月7日、東京、神奈川などの首都圏と大阪、兵庫、福岡に1回目の緊急事態宣言が発出されました。あれからもうすぐ2年が経ちます。現在は日常の感染対策のほか、ワクチン接種や薬の開発も進み、感染者の重症化を防ぐ効果的な手段が確立されてきました。しかし、依然として感染者数は多数おり、重症者や死者も日々発生しています。収束のめどもまだ立っていません。

T:在宅でのリモート勤務、飲食店の営業時間短縮や閉店、デジタル化、DX推進、そして巣ごもり消費など、感染対策のための新しい生活様式が提言されたことにより、日常生活を中心とした経済活動も大きく変化しましたね。

神様:その通りです。今日はスーパーマーケットを例に、ここ最近の変化を見てみましょう。まず、コロナ禍で人々の食生活は変化しました。外食が控えられ、自宅での食事が増えました。1世帯が1ヵ月当たりの食料費に占める外食費比率を見ると、2019年は16.9%でしたが、2020年は12.5%まで低下しています。

T:外食での飲食が感染対策として自粛を求められ、感染を防ぐためにも自炊をして食べる「内食」、飲食店からの宅配や外で惣菜などを買って自宅で食べる「中食」が増えましたね。

神様:スーパーマーケットはそれらの需要をうまく捉え、対応してきました。2020年のスーパーマーケットの全店総売上高を見ると、前年比で6.3%の増加でした。そして2021年の全店総売上高では、前年比で0.4%減となりました。

T:若干の減少ですが、総売上高は高い水準を維持しているのですね。

神様:総売上高には、マスクなどの衛生用品を含めた食品ではない商品も含まれます。2020年は衛生用品などがよく売れたことは記憶に新しいと思います。2021年はそれらの非食品の売上が落ち込んだため、減少に転じました。しかし一方で、中食需要を捉え、惣菜の売り上げは2021年に前年比で5.3%増と伸びが加速しています。2020年から2021年にかけて、スーパーマーケット各社がコロナ禍対応として惣菜の強化を行った効果が表れていると言えるでしょう。

T:なるほど。と言うことは、今後もスーパーマーケット各社はお惣菜の強化に力を入れていくということでしょうか。

神様:今後も食品を中心に売上を伸ばしていくことは期待できると思います。しかし、食品業界では、原材料価格の高騰などから多くの食品で値上げを余儀なくされています。世界情勢の不安定化も影響があるでしょう。食品に対する消費者の目は厳しくなると想定されます。今後は、より消費者のニーズに応えた商品を展開できる企業がスーパーマーケット業界での勝ち組になるでしょう。

T:今後のスーパーマーケット業界のさらなる対応に注目したいと思います。

(この項終わり。次回4/6「世界を変えたウクライナ侵攻 注目される防衛費・防衛産業」掲載予定)

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