兜のささやき兜のささやき

第34話 株と初夢

2017.01.18

株の神様と、その教え子であるTさんの新年にまつわる株の談義が続いています。


神様:新年ついでの余談ですが、初夢に見ると縁起が良いとされる「一富士二鷹三茄子」。駿河の国(静岡県)のことわざだと知っていましたか?

T:あっ、そうなのですか、知りませんでした。

神様:駿河の国の名物を、日本最高峰の富士山、富士に棲む名鳥の鷹、他国よりも早く産出する初茄子を並べたとされる説。また、徳川家康が一に富士山、二に愛鷹(あしたか) 山、三に初茄子の値段と、駿河の国で高いものを並べた句とも言われるなど諸説あるようです。昔の人は、良い夢を見るために、夢を食うという貘(ばく)を描いた紙を枕の下に置いたり、室町時代には宝船の絵を敷いて寝るようにもなったと言われています。
ところで、あなたの初夢はどんなものだったのですか?

T:欲深いと言われそうですが、私の初夢は、IPO(Initial Public Offering;新規公開)株の取得で、しっかり投資収益を得た夢でした。

神様:(大笑いして)すっかり株の夢をみたのですね!では、あなたは、昨年2016年に国内の株式市場に新規公開(上場)した企業がどのくらいあるかご存知ですか?

T:はい、83社です。

神様:さすが正確ですね。私の予想では、2017年は85社程度と、今年と同程度か少し上回ることでしょう。ところで、あなたは上場のメリットはどんなものだと思いますか?

T:上場する企業にとっては、成長のための資金調達の円滑化・多様化を図ることができます。また、企業の知名度向上が期待でき、ビジネスがしやすくなることや優秀な人材を確保できること、従業員のモチベーションの向上などの多くのメリットが考えられます。

神様:その通り。一方、株式市場にとっては、新しい企業が増えることは、投資対象の選択肢が増え市場に新たな資金が流入することで株式取引の活発化が期待できることにもなります。

T:最近の新規公開企業の中には、IoT関連やフィンテック関連、人工知能(AI)関連など新たな成長分野で活躍する企業が少なくありません。2016年の新規公開企業の公開価格に対する初値の平均上昇率は71.4%でした。新規公開企業の成長性に期待した買いが集まり、公開価格(公募・売出価格)に対する上場時の初値の高さには驚くばかりです。

神様:ただし、注意しなければならないのは、新規公開企業の多くは、上場株式数の規模が小さいことから値動きの荒さが目立つことです。初値が公開価格を割れたり、高い上昇率の初値は付いたが、その後の株価は初値を上回ることが出来ない場合もあります。

T:新規上場企業への投資も企業の内容を分析し、割高か割安かを意識することが重要なのですね。

神様:それだけではありません。以前お話したように、新規上場企業ごとに経営陣の資質や、その会社の事業内容は本当にあなたが応援したいものなのかを十分に吟味した上で、長期的な視点で投資する必要があります。(第11話~13話、第22話~23話参照)
初夢を正夢とするためには、それなりの勉強と努力が必要かもしれませんね(笑)

(この項おわり。次回は1/25に掲載予定です)

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