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第40話 トランプラリーってなに?日本への影響は?

2017.03.01

株の神様と教え子のTさんは、トランプ大統領就任後の株価上昇(トランプラリー;前話ご参照)の話から、日本で株式投資をするにあたって、海外の政治経済動向に目配りすることが、なぜ必要なのか、という話に発展しています。


T:海外の政治経済動向に目配りすることの必要性は、それが日本企業の業績に影響し、株価に影響するからだけではないと?

神様:ご存知ですか?日本の株式市場の売買代金シェアのおよそ6割は海外投資家によって占められているのですよ。

T:はい。以前は、株式持合いのように閉鎖的だという批判もありましたが、よりオープンな市場となり、年々海外投資家比率が高まっているのは知っていました。もう5割を越えているのですね。

神様:今回のトランプ大統領の影響による日本株の上昇も、ドル高・円安による日本企業の業績向上への期待だけでなく、米国市場の株の上昇で、投資余力が増した海外の投資家が日本株への投資を増やしている側面も見逃せません。

T:なるほど。日本市場における海外投資家の売買動向にも注視が必要なんですね。彼らは母国や投資国の政治経済状況に応じて動くことになると。

神様:そうです。海外投資家の中にも中長期の視点で投資する人もいれば、短期の売買を志向する投資家など様々ですが、構造的に日本市場での海外投資家のプレゼンスが高まっているので、彼らの視点により日本株を分析することがより重要となってきます。

T:例えば、日経平均株価をドル換算したドルベースの日経平均株価とか…

神様:その通り。日経平均株価は、1月5日に高値1万9,615円(取引時間中)を付け、昨年来高値を更新し、その後は揉み合いが続いていますが、これをドルベースの日経平均株価でみれば、実は1月26日に171ドルを付け昨年来高値を更新しています。

T:神様はこれまで投資の本質や、中長期の視点について力説されてきたので、直近の動きについてこんなに細かく説明されるのは、ちょっと意外でした。

神様:(微笑みながら)中長期で株式を運用することが重要であることはこれまでもお話してきた通りですよ。ただ、短期の運用を中心とした海外投資家の中には、利益確定売りを出す投資家がいることは、知っていた方が良いかもしれません。

T:仮にそのような海外投資家の売りをきっかけに日本市場での株価が下がることがあった場合に、その理由を知っていれば、慌てずにじっくり構えていることができるということですね?

神様:その通り。だいぶ本質がわかってきましたね。昨年来高値を更新し、海外投資家の売りが始まったから即、保有株を売却した方が良いとは限らないということです。あるいは売り時期を逃したとがっかりすることもありません。

T:中長期で成長期待がある分野や企業については、保有を続けた方が良いケースも多いと。

神様:そうです。ただ、いずれにしろ日本市場のプレイヤーという構造が変わってきているのですから、彼らがどんな考えで動くのか、そこに彼らの母国やグローバルの政治経済情勢がどのように作用しているのかを、よく観察・分析する必要があるということは覚えておくと良いでしょうね。

(この項終わり。次回3/8「不老不死と株」掲載予定)

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