第41話 不老不死と株(その1)
株の神様に投資のコツを教えてもらっているTさんは、神様の助言に従い、日本の強みを伸ばすような企業を応援しようと、実際にどんな会社があるか、家族で探しています。奥様のA子、高校生の娘Yや中学生の息子Sと夕食時もそのことが話題になります。
Y:今日、学校の歴史の時間で、秦の始皇帝と徐福(じょふく)の話を聞いて面白かったわ。紀元前3世紀頃、中国は斉国の琅邪郡(ろうやぐん)に徐福という人がいて、秦の始皇帝に「東方の三神山に長生不老(不老不死)の霊薬がある」と具申し、始皇帝の命を受け、3,000人の童男童女(若い男女)と百工(多くの技術者)を従え、五穀の種を持って、東方に船出し、「平原広沢(広い平野と湿地)」を得て、王となり戻らなかったとのお話。徐福が王となった場所は日本だったという説もあるんだって。
A子:不老不死や若さを保つことは人の究極の願望よね。昔から偉くなった権力者が最後まで執念を持って追求するのって、寿命を延ばしたり、美しさを保つことだもんね。人の願望に応える企業を応援するとしたら、不老不死を研究している企業なんていいかもね。

S:不老不死はさすがに難しいんじゃない(笑)
T:夢ではないかもしれないよ。実は、世界中の温帯から熱帯にかけての海域に、不老不死の生物が生息するんだ。
S:えっ!それってすごいことだね!!どんな生き物?
T:「ベニクラゲ」というクラゲの一種だよ。普通のクラゲは、死を迎えると溶けてしまう。ところがベニクラゲは溶けずに肉団子状になり、ポリプ(刺胞動物の基本形)へと若返るんだって。このポリプはやがてクラゲ芽を形成し、やがて若いクラゲとして分離して泳ぎ出すんだ。この循環を無限に繰り返すことから、「不老不死」と言われているんだよ。
Y:ふーん。でも、クラゲのように、何も考えられず海でプカプカ浮かんでいるだけだと、「不老不死」でもあんまりうれしくないような気もする(笑)。
T:人間の「不老不死」も夢ではないかもよ。
A子、Y、S:ええー、そうなの??
(この項つづく)
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