第42話 不老不死と株(その2)
株の神様に投資を教えてもらっているTさんは、「応援したい企業に投資すべき」と教えられ、家族にも伝えました。奥様のA子、高校生の娘Yや中学生の息子Sと夕食時もそのことが話題になり、『人の願いを叶える企業』の話から、不老不死の実現性について話が広がっています。
Y:人が「不老不死」になるなんてこと、本当にあり得るの?
T:2009年のノーベル医学生理学賞は、「寿命の鍵を握るテロメアとテロメラーゼ酵素の仕組みの発見」の研究が受賞したんだ。テロメアとは遺伝情報の発現と伝達を担う、染色体の先端に存在するキャップのようなものなんだけどね。
S:それと不老不死とどういう関係があるの?
T:人の身体は細胞分裂の活動で、生命を維持しているんだけど、細胞が分裂する度にテロメアも短くなり、次第に身体に老化現象が起こってくる仕組みなんだ。つまりはテロメアの長さが寿命の長さをあらわすことになる。
A子:それ、どっかで似たような話を聞いたことがあるわ。あっ、落語の「死神」。大恩ある死神を騙して大金をせしめた主人公が報復されるというお話だったわ。死神を騙した主人公が地下の冥界に連れて行かれるんだけど、そこには長短、大小の蝋燭が無数にあり、人の寿命は蝋燭の長さで決まっていると言われる。蝋燭とテロメア、似てると思わない?蝋燭が消えると寿命が尽きてしまう。

Y:そのお話、私も聞いたことがあるわ。主人公が、死神に「その短い今にも消えそうなロウソクがお前のだ」と言われて、何とか他の人の長いロウソクと取り替えようとするのよね。
S:その落語も面白そうだけど、ちょっと話を戻してよ(笑)。人間が科学で本当に不老不死になるの?パパ??
T:そうだなー、もちろんとても難しいし、関連して検討しなければならないことは、山ほどあるけどね。バイオ医薬品の分野では、現代の蝋燭、つまりテロメアの長さを維持すべく、様々な研究が進められているのは確かだよ。再生医療など、かつては絵空事のような話であった技術が、徐々に現実化しているから、不老不死も、今日明日にすぐというわけではないけど、ふたりが大人になりパパやママの年齢になる頃は、夢ではなくなっているかもね。
S:そういう研究に取組んでいる企業なら応援したいね。
Y:それが日本の企業だったら、それこそ日本の強みになるわよね。世界中の「不老不死」の夢をリードすることになるんだから。
(この項終わり。次回3/22掲載予定)
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