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第469話 自動車業界に起こる大変革とは?安全快適な運転支えるADASに注目

2025.10.15

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、都内の喫茶店でコーヒーを飲みながら投資談義を行っています。


T:10月4日に自民党総裁選が行われ、高市早苗氏が新総裁に選出されました。10月6日には日経平均株価が過去最高値を更新し、史上初めて4万8000円を超えました。新総裁による経済政策への期待の高さがうかがえますね。

神様:10月15日に召集される臨時国会で首相に指名されれば、日本初の女性首相となります。今後の動向に注目しましょう。さて、今日は自動車についてお話しましょう。自動車業界には今、ある変革が起こっています。自動車業界での売上に占めるソフトウェア比率が増加しつつあり、2040年にはソフトウェアが売上に占める比率は38%に達すると予測されています。

T:自動車と言えばエンジンや車体などハード面のイメージが強いですが、ソフトウェア売上比率が高まるとは一体どういうことなのでしょうか?

神様:自動車は今、自動運転技術の開発が日進月歩で進んでいます。2023年4月1日には改正道路交通法により過疎地域や高速道路などの特定条件下で、システムがすべての運転タスクを実施する完全自動運転「レベル4」が解禁されました。現在は許可を受ければ、道路交通法に基づいて特定条件下で完全自動運転を行うことができます

T:すでに実用化されているのですか?

神様:現在はレベル4の社会実装に向け、各地で実証実験などが行われています。例えば、高齢化が進む福井県永平寺町では、定員7名の自動運転システムが実際に道路を走っています。町のドライバー不足を解消する試みとして全国からも注目されています。

T:それは素晴らしいですね。全国に普及すれば超少子高齢化社会には欠かせない移動手段となりますね。

神様:こうした自動運転を支えるのは自動車のソフトウェアです。特にクラウドと通信し、自動車の機能を継続的にアップデートして運転機能の高度化を行うなど、従来の自動車には無い新たな価値を実現する自動車のことを「SDV(Software Defined Vehicle)」と呼んでいます。SDVが登場したことで、自動車業界のビジネスモデルは大きな変革を起こしているのです。米国や中国では、AIによる自動運転の社会実装も進展しているようです。

T:AIによる自動運転とは、ひと昔前の映画の世界のようです。2040年の車社会がどのような姿になっているのか、想像するだけでわくわくします。

神様:さて、自動運転を支えるシステムとして、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)が注目されています。ADASとは運転を支援するシステムの総称ですが、車両に搭載されたセンサーやカメラが周囲の状況を認識し交通事故を回避するシステムとして、すでに広く用いられています。ADASがあることで事故リスクが低減し、ドライバーの疲労も軽減します。

T:ADASには具体的にはどんなものがあるのでしょう?

神様:例えば、レベル1の自動運転ではドライバーの運転支援が中心となります。自動ブレーキや前のクルマに付いて走ること、車線を逸脱しかけた際には警告音を発し、車線からはみ出させないシステムなどがそれに当たります。レベル2では特定条件下での自動運転機能となりますが、車線を維持しながら前の車に付いて走るなどのレベル1のシステムの組み合わせや、遅い車がいれば自動で追い越すなどのさらに高機能化したシステムが挙げられます。また、ハンズオフと呼ばれる運転中に手をハンドルから離すことができるシステムは、高い機能であることからレベル2プラスと表現されています。

T:これらが普及することで交通事故が大幅に減るのであれば、素晴らしい技術革新だと思います。

神様:経済産業省によれば、世界の自動運転機能搭載車の数はレベル1やレベル2プラスといった運転支援レベルを中心に増加すると予想されています。今後はADASなどの運転支援市場の拡大に期待が高まります。

T:今後はきっと、自動車をハード面だけで選ぶのではなく、自動運転などを支えるソフトウェアで選ぶ時代が来るのでしょうね。今後の進展が楽しみです。

(この項終わり。次回10/22掲載予定)

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