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第49話 シェアリングエコノミーと 株式投資(その2)

2017.05.03

株の神様に投資のポイントを教わっているTさんは、新たな経済の動きであるシェアリングエコノミー関連の銘柄が将来有望か聞いています。神様は単純にそれには答えずに、シェアリングエコノミーが現在の資本主義経済に大きなインパクトを与える可能性を秘めていると話し始めました。


神様:3つほど大きなインパクトがあると考えらえます。第一にシェアリングエコノミーによって、現在の主要産業を担うプレイヤーが大きく変わる可能性があります。

T:と言いますと??

神様:わかりやすいのは自動車です。米国では、カーシェアリングの車両1台につき自家用車が15台減ったことが報告されています。日本では、まだそれほど実感がないかもしれませんが、2016年には国内新車販売台数が500万台を割り込む一方、カーシェアリングの会員数は前年比24%増となる84万人超となっています。

T:確かに…一般のサラリーマンだと自家用車の稼働時間は週末しかない割に、購入費用だけでなく、駐車場代や保険、それに税金、車検まで考えると相当な費用ですからね。必要な時にさっと、タクシーを使うよりも安く車を利用できるのであれば、その方が良いという人も増えそうですよね。

神様:中高年層では、まだまだ高級車を所有することがステータスだと考えている方も多いですが、若い世代はわざわざ車をコストかけて買うくらいであれば、他のことに使った方がいいと考える人が増え始めています。

T:そういう世代が年を経るにつれ人口の大半を占めるようになると、つまり、自動車分野において、製造メーカーではなく、カーシェアリングのサービス事業者が主役になる可能性があると…

神様:もちろん、すぐに製造メーカーがなくなるわけではありませんし、単純に今のカーシェアリングのサービス事業者が主役になるのかはわかりませんが、主役が入れ替わっていく可能性は十分あるでしょうね。

T:そうすると、単にシェアリングエコノミー関連銘柄の企業の株を『買う』だけでなく、例えば自動車産業のように既存のプレイヤーの株を持っている場合は、その『売り時』も考えないといけないということですよね。

神様:そもそも、『企業』というものが、シェアリングエコノミーによってチャレンジを受けるかもしれませんよ。第2のインパクトはこの点に関わるものです。

T:ええっー、それはどういうことですか?

(この項つづく。5/10掲載予定)

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