兜のささやき兜のささやき

第55話 技術革新と株

2017.06.14

『株の神様』から株式投資のコツを教えてもらっているという夫Tさんが、株にあまりに熱心なことを心配していた妻のA子さんは、今ではすっかり株式投資に興味をもっています。以前、夫の株への熱中ぶりを相談した友人のフィナンシャル・プランナーB美さんと久々にお茶を楽しんでいますが、何かと株の話になるようです。


B美:ねー、小学校のころ、大きくなったら何になりたかった?

A子:ケーキ屋さんかなぁ。

B美:私は、聞いて驚かないでね。ロボット技術者!

A子:すごい!立派な夢ね〜

B美:本当よねぇ~。当時、鉄腕アトムの再放送をテレビでやっていたのよ。それに、ガンダムも放送してたの。それを見ていて、実際に作りたくなっちゃったのよね。

A子:へぇ~。女の子が描きがちな夢からは随分と違うわね(笑)

B美:そうなのよ。でも本気だったのよ、自分でロボット作りたいって!

A子:ただロボット作るなんて、難しいイメージね。回路や配線が複雑で。この間、電動のおもちゃをゴミに出すのに解体したの。そうしたら、緑色の板があって、その上に金色の細い筋が描いてあったり、ポチポチがあったり、黒い小さな箱みたいなのが乗っていたり。これは何?よくわからないわ??という感じだったわ。

B美:それはプリント基板のことね!実は私、今はフィナンシャル・プランナーだけど、大学は工学部だから、今話題のリケジョなの。だから、ちょっとその辺は詳しいんだけど、プリント基板がおもちゃの動きを制御しているのよ。その制御の働きに、『半導体』と呼ばれるものが使われていて、これが実はいろんなビジネスの成功に大きく関わっているの。株価の大きなトレンドにも関わってくるのよ。

A子:あら、面白そうなお話ね!確かに半導体って新聞やテレビでよく耳にするかも。

B美:半導体は、与えられた条件によって電気を通すことも、電気を通さないこともできる物質なの。この半導体を活用して、身の回りの電子製品ができているのよ。半導体なくして、今のこの便利な生活はないのよ。

A子:へぇ~

B美:わかりやすく説明するために、ラジオを例にとるとね、ラジオを聴くためには、放送局から送られる微弱な電波を受信して、受信した電波から音声だけを取り出して耳で聞こえるように大きくすることが必要なの。その音声を大きくすることに使われた部品が、昔は真空管だったの。

A子:真空管、聞いたことある~。なんか、見た目はランプみたいなものよね。結構大きかったような気がするんだけど・・・

B美:そうなのよ!代表的な真空管の大きさは高さが約13cm、直径約4cm。これがね、半導体を使った部品のトランジスタ、初期の大きさでも直径0.6cm、ケースの長さ1cm。トランジスタの働きを利用して、同じことができるようになったの。

A子:随分、小さくなったわねぇ。

B美:同じ動作をさせるための部品一つで、こんなに違うのよねぇ。部品が小さくなったことで、製品を小さく、軽くできたのよ。さらに、空いたところに、別の回路を入れれば同じ製品でもより高度なことができる、ということにもつながるわよね。

A子:なるほど!そういう技術の革新があると、ラジオを作る会社も、トランジスタのように中心になる技術を開発した会社も長期的に株価に良い影響を与えるわよね。すごいわね!いったい誰が、トランジスタを発明したの?

(この項つづく。次回6/21掲載予定)

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