兜のささやき兜のささやき

第56話 『産業のコメ』と株

2017.06.21

株式投資のコツを『株の神様』から教えてもらっているという夫Tさんの影響で、株に関心を持った妻のA子さんと、投資に詳しい友人のフィナンシャル・プランナーB美さんが、真空管のラジオと半導体を使ったトランジスタラジオを例に、技術革新と株価のトレンドについて、茶飲み話をしています。


B美:トランジスタはね、1948年に有名なベル研究所の米国人3人の技術者が発明したの。電子機器の小型・高性能化への道を開いて、人々の暮らしを大きく変えることになった功績が評価されて、3人にはノーベル物理学賞が贈られたのよ。

A子:それほどすごいことなのねぇ〜。

B美:その他にも半導体を使った部品が優れている、代表的な3つの特徴を言うとね、まず、真空管が動作するためにはヒーターが必要だったんだけど、半導体は電気を通すだけで動作ができるの。だから、すぐ動かすことができるし、何より消費電力が少ないのよ。2つ目に、ヒーターを使わず低温で動作できるので寿命が長い。3つ目に、真空管に比べて振動なんかに強いのよ。

A子:使う電気が少ないのは、助かるね。

B美:真空管ラジオは、電源を入れてしばらくしないと音が聞こえてこないし、電球と同じように真空管が切れてしまうことも度々あったそうよ。真空管がとても熱くなるから火傷もしたの。日本では、東京通信工業、今のソニーが1955年に初めてトランジスタラジオを発売したのよ。

A子:他にも半導体はたくさんのものに使われるようになっているのよね?

B美:そう。今では半導体が入っていない電子機器を探すのが難しいほどよ。スマホにもテレビにもパソコンにも冷蔵庫も電子レンジもみんな入っているわ。自動車にも使われているのよ。プリント基板の上に載せているICやLSIという集積回路がとても重要な役割をしているの。おもちゃを捨てるときに見た、緑色の板の上の黒くて四角いものよ。

A子:ICって聞いたことある!あの小さい箱が重要なのねぇ。

B美:半導体部品の微細化は続いていて、今は、約1cm角のICチップの中にトランジスタが1,000万個以上も載せられるんですって!もう肉眼では見えないウイルスレベルなのよ。

A子:ウイルス!すごいわ、そんな小さいんだ。

B美:今の日本の産業の中核を担っているという意味から、半導体は『産業のコメ』と呼ばれているのよ。

A子:まさになくてはならないものだし、『コメ』だわ。世の中で常になくてはならないものを発明したり開発した会社の株は、長期的安定的に上昇基調だから、安い時に買って簡単には手放さないのが投資のコツだと主人も言ってたわ。

B美:基本はそうね。でもね、『産業のコメ』も時代とともに移り変わるものなのよ。

A子:えっ!どういうこと??

(この項次回6/28掲載予定)

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