兜のささやき兜のささやき

第57話 『産業の塩』と『産業のビタミン』

2017.06.28

『株の神様』から株式投資のコツを教えてもらっているという夫Tさんの影響で、株に関心を持った妻のA子さんと、投資に詳しい友人のフィナンシャル・プランナーB美さんが、『産業のコメ』と株価のトレンド、そしてその移り変わりについて茶飲み話をしています。


B美:今は半導体が『産業のコメ』と呼ばれているけど、日本が高度成長期の頃は鉄鋼が『産業のコメ』と呼ばれていたのよ。

A子:なぜ鉄鋼なの?

B美:戦争で焼け野原になってしまった日本を復興させるために、政府が様々な分野の基礎素材だった鉄を復活させることを政策で推進したの。鉄鋼業は、高い技術力で多くの産業の復興に貢献して、日本経済の奇跡の復興を支えたのよ。『鉄は国家なり』なんて言葉もあったほどなの。

A子:日本を背負って立っていたような感じよね。

B美:そうね。この『産業のコメ』は時代と共に変っていくのが特長よね。

A子:次の『産業のコメ』って何がくるのかしら?

B美:それが簡単にわかれば苦労しないわ(笑)。ところで、『産業のコメ』ならぬ『産業の塩』というのもあるの。どんな産業だと思う?

A子:塩?しぶいわねぇ。塩って地味だけど、なくてはならないものってイメージがあるわよね。

B美:そうそう!良いセンスしているわ!3つあるそうよ。1つめは『ねじ製品』。目立たないけど、どんなものにも必要不可欠なものだから。2つめは『切削工具』。あらゆる「モノづくり」に必要な道具で、製造業でこれを使わない企業は存在しないから。3つめは『水晶』。

A子:えっ、水晶ってアクセサリーでもあるクリスタルのこと?

B美:そう。その水晶の特性を利用して、人工水晶を加工して作った電子部品の水晶デバイス(水晶振動子等)は、身の回りの様々な電子機器に組み込まれていて、なくてはならない存在だから『産業の塩』なのよ。

A子:へぇ〜

B美:それとね、日本が誇る自動車やハイテク機器には希少金属つまりレアメタルが使われているの。このレアメタルなしには何も作れないから、少量でも必須なレアメタルのことを『産業のビタミン』と呼ぶようになっているわ。

A子:『産業のビタミン』!絶妙な名前のつけ方ね。

B美:こうした『産業のコメ』、『産業の塩』、『産業のビタミン』に関わる会社で、高成長を続けている中小規模だけど投資の候補になる上場会社がたくさんあるのよ。

A子:あら、やっと本題。その企業の名前を教えてよ(笑)

(この項おわり。次回「今期決算と来期計画を見る」を7/5掲載予定)

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