兜のささやき兜のささやき

第58話 今期決算と来期計画を見る

2017.07.05

株の神様に投資の本質を教えてもらっているTさんは、奥様のA子さんや高校生の娘Y、中学生の息子Sにも「これからの社会を生き抜く力」の一つとしてお金や投資の話は大事だと思い、そのポイントを時折解説し、伝えています。今では、週末の団欒の際にも、投資の話になります。


S:(テレビのニュースを見ながら)株主総会って6月に開催する会社が多いんだね〜

T:そうだね。3月末が決算の上場企業が多くて、法令で決算から3ヶ月以内に定時株主総会を開きなさいと定められているからね。

A子:株価も変動する時期でもあるのよね。株価は、世の中の景気や政治なんかでも左右されるけど、やっぱり企業の業績を見て売り買いしたくなるものね。

Y:前にも聞いたけど、決算の数字が悪かったからって下がるものでもないし、良ければ上がるものでもなくて、今後の計画との組み合わせで考えなきゃいけないのよね?
第26話「会社の通信簿」 ご参照)

T:その通り!今回の3月期が本決算である上場企業の計画を集計したレポートがあるんだけど、それを見ると、全体としては2018年3月期、つまり来年の予想は、売上高が前期比4.0%増、経常利益が同3.6%増、純利益は同9.7%増の見通しだったんだ(※)

※5月19日までに決算を発表した東証1・2部上場1,656社(金融を除く)の連結業績の会社計画(会社計画未公表の場合は、いちよし証券予想)

A子:じゃあ、全体としては増収増益が見込まれるから買ってもいい基調だけど、実際は個々の企業の過去の業績と計画を突き合わせてよく調べるということよね?

T:そうだね。その時に計画の予想収益の額が大きいからって飛びついてはいけないんだ、特に輸出関連企業は、注意深く見なきゃいけない点がある。何だと思う?

S:う〜ん、何だろう?

Y:あっ、わかった!輸出だから為替レートじゃない?1ドル何円かとか。

T:あたり!輸出関連企業は、特に為替レートの動きが業績に影響を与える場合が多い一方で、どの水準にするかは企業によってまちまちなので、業績計画中で為替レートをどのように想定しているかは要注目なんだ。例えば、ある大手の産業ロボットメーカーは1 ドル=100円、大手の自動車メーカーは1 ドル=105円とするなど堅めの想定為替レートを採用していて来期業績について減益を計画しているんだよ。

A子:そうすると、1 ドル=110円といった為替レートで業績計画を増益と見込んでいる企業と比べて、実際は買いの場合もあるってことね。

T:そうだね。多くの企業は、期初の業績計画について堅めの費用見積もりを行う場合が多いのが過去の経験則だけど、そうじゃない企業は要注意かもしれないね。
ところで以前、「この会社の株は割安か?割高か?」を判断する参考指標があるよって話したんだけど、覚えてる?

(この項つづく)

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