兜のささやき兜のささやき

第59話 今、日本企業は買いか売りか?

2017.07.12

株の神様に投資の本質を教えてもらっているTさんは、奥様のA子さんや高校生の娘Y、中学生の息子Sにもお金や投資の話は大事だと思い、そのポイントを伝えています。6月は株主総会が多い時期だったこともあり、決算や来期計画を見て「その会社が売りなのか買いなのか?」といった話題になっています。


Y:「この会社の株は割安か?割高か?」を考える参考指標って、確かPERっていうのよね?

S:低いと割安で、高いと割高かだって聞いた。

A子:日本語だと株価収益率といって、業界や事業内容の似ている企業や、同じ企業で過去と比較するのに使う相対的な目安だったわよね?
第27話「その株は割安か?割高か?」 ご参照)

T:その通り!PER(Price Earnings Ratio;株価収益率)を計算するには、まず、税引き後の当期純利益をその会社の発行済株式数で割って1株当たり利益を算出するんだ。これをEPSというんだ。

Y:そのEPSは株主から見ると、1株当たりどれだけの利益があるかだから、多ければ多いほどいいのよね?

T:基本的にはそうだね。その1株当たり利益に対し、株価が何倍となっているのかがPERで、計算式は株価÷1株当たり利益となり、単位は倍となる。PERが低ければ低いほど、会社が稼ぐ利益に対して株価が割安っていうことになる。

S:上場企業の平均は15倍位ってパパが言ってたのは覚えている。

T:そうだね。上場企業のPERの平均で言うと、来期の見通し、つまり2018年3月期の業績計画に基づいた予想EPSは約1,400円で、予想PERは14倍くらいなんだ。

A子:あら、少し下がっているみたい。ということは全般的には日本企業は「買い時」ということね?

T:そうだね、来期の各社の業績見通しが全般的には各社良好な計画でのスタートとなっているし、2012年12月に安倍政権が発足して以降、日経平均株価の予想PERは14~17倍のレンジで推移してきたから、今の予想PERはレンジの下限に近く、日本株は割安圏にあるといえそうだね。ただ…

Y:昨年の大統領選のような、国際情勢でも変わるから一概に言えない、ということでしょ?

T:そう(笑)、さすが!先読みされたな〜。それに加えて大事なことは…

S:実際は個々の企業の事業計画やPERをよく見て分析するのが大事なんだよね?

A子:その企業の過去との比較や業界内の他企業との比較するリサーチも必要なのよね?

T:その通り!もう言うことがなくなったな(笑笑)

(次回「戦争と株」につづく)

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