第65話 軍事技術の平和利用と投資
(その1)

2017.08.23

株の神様に投資の本質を教えてもらっているTさんは、奥さまのA子さんや高校生の娘Y、中学生の息子Sにも、将来「生きる力」の糧になると思い、そのポイントを伝えています。夏休み中の団らんで、IT関連等、成長が期待される分野の新技術の多くが、実は軍事目的だったことが話題となっています。


T:『スピンオフ』といって、軍事技術が我々の普段の生活を便利にする製品やサービスに転用される事例はたくさんあるんだ。

S:ノーベル賞で有名なノーベルが発明したダイナマイトみたいなものがそうなのかな?

Y:ノーベル自身は、もともと戦争のために開発したわけじゃなかったって読んだ気がするわ。鉱山の発掘なんかに使われると考えていたみたいよね。

T:そうだね、ダイナマイトは軍事と民間両方で使うことを想定して研究開発された例になるかな。ノーベル自身は、誤報で自分の死を伝えたニュース記事に「死の商人、死す」と書かれたのを見て、自分の遺産を平和利用してもらう遺言を書いたそうだね。ダイナマイトのように、両方の目的で開発された場合は『デュアルユース』って言うんだ。

A子:『デュアルユース』ってニュースで目にしたことがあるわ。国の防衛予算で、軍事と民間の両方に応用可能な技術の研究に、大学なんかが参加するかどうか議論となっているのよね。

T:ママ、詳しいね!今さかんに研究開発されているロボットやAI、自動運転なんかは、実はどこまでが軍事用で、どこからが民間利用か、区別が難しいところが問題なんだ。

Y:人工衛星を利用したGPSなんてまさに『スピンオフ』なんじゃない?

T:そうだね、他にもティッシュペーパーから缶詰、腕時計や電子レンジ、デジタルカメラや携帯電話など、『スピンオフ』で開発されたもので、我々の便利な生活を実現した例は、実は切りがないほどあるよ。
(61話~62話「戦争と株」参照)

S:でも、いくら生活を便利にしてくれても、戦争はやだな…

T:そうだよね。ただ、戦争は簡単にはなくならないし、そのための武器を磨く技術研究も簡単には止められない。それに、今の最新技術は、『スピンオン』と言って、もともと平和利用や生活を便利にするために開発されたものが、軍事的に利用されてしまう逆の例もある。軽くて丈夫なナイロンが軍服に使われたり、電卓の液晶ディスプレイが軍の状況把握のための様々な表示装置に使われたり、といった例なんかがそうだよ。

Y:なんだか悲しいね。もうこれ以上、便利にならなくても、平和の方が良い気もする…

A子:何か、私たちにできることってないのかしら?

T:そこが大事!もともとは軍事目的で開発された技術でも、平和利用しようとする企業を投資することで応援できるよね。夏休みの宿題ではないけど(笑)、そういう企業を探してみようか?

S&Y:わかった!調べてみる。

(この項続く。8/30掲載予定)

PAGE TOP