第99話 好業績の中小企業や有望銘柄をいち早く見つける方法
株の神様の声が聞こえるというTさんは、時折、投資の心構えやコツを神様から教わります。それを子供達にも将来役立つようわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、娘Y、息子Sもすっかり投資に興味を持ち、雑談もいつのまにか投資の話になったりします。
A子:この冬は野菜が高かったわー。レタス、キャベツ、白菜、ほうれん草。全部、普通の年の2倍以上!冬場は割安な大根も今年は高かった〜
S:そういえば、ニュースで野菜を買い控える家もあるって聞いた。うちで今年は鍋が少なかった気がするのは、野菜が高かったからだったんだ(笑)
Y:でも春になって、春キャベツとか、野菜がたくさん出回る季節じゃない!
A子:春キャベツは葉が柔らかくて、えぐみもほとんどなく、みずみずしく食べられるという特徴があるのよね。冬に思いっきり食べられなかった分、ふんわり春キャベツを生でたくさん食べましょう!
T:キャベツといえば、モンシロチョウの幼虫も大好きだよね。
Y:幼虫はちょっと苦手だけど、キャベツ畑で、ひらひらとモンシロチョウがたくさん舞っているのを見るの、好きだな〜
T:植物は、人間や幼虫に食べられっぱなし、と思われるかもしれないけど、キャベツは『SOS』を発信するって、知ってる?
S:えっ!!キャベツが声を出すの?
T:いやいや(笑)、さすがに音は出せないよ。キャベツの『SOS』。それは、匂いだよ。
Y:何それ、知らなかった!
T:モンシロチョウの幼虫にむしゃむしゃと食べられたキャベツは、モンシロチョウの幼虫の天敵であるアオムシサムライコマユバチ等を呼ぶ匂いを発生させるんだよ。
A子:へー、そういう手があるのね。その名も『アオムシサムライ』。
T:アオムシサムライコマユバチは、体長3mmほどで、見た目は蜂というよりも、羽アリといった感じがする。モンシロチョウ等の幼虫に約80個もの卵を産み、寄生して幼虫から栄養分を取り入れるんだ。
Y:自分を守るために発信するのね。

T:株式投資にも、ちょっと似た話がある。
S:えー、なになに?
T:上場企業の決算発表の話。上場企業は、証券取引所の適時開示ルールに従って、決算発表時に作成・提出する共通形式の決算速報の「決算短信」を発表するんだ。四半期ごとに、遅くとも決算期末後45日以内に開示しなければならないルールで、取引されている9時~15時までの開示はほとんどなく、取引時間が終わっての開示がほとんどで、様々な企業が一斉に開示する。多いときには、1日に300社を超えるときもあるんだよ。
T:そうなんだー。でも、そうすると見る方は大変。
A子:目立つ会社とそうでない会社が分かれそうよね。
T:その通り!大企業は注目されやすく、何か目を引くことが発表された場合は翌朝の朝刊1面を飾ることもある。一方、中小の企業は、せっかくいい決算を発表したとしても、影に隠れてしまうこともあるんだ。
S:でも、どこがモンシロチョウとキャベツの話に似ているの?
T:キャベツの『SOS』ではないけど、目立たない企業のシグナルをキャッチできる方法があるんだ。例えば、いちよし証券のグループ会社であるいちよし経済研究所は、中小型成長企業や新興市場企業を調査、分析し、その情報を投資家に提供している。
A子:大企業の影に隠れてしまいがちな中小企業の動向を発信しているわけね。
T:その通り。20名弱のアナリストが目立たないけど優良な企業に常に目を凝らしていて、当日中に決算内容のコメントを発表する場合もある。
Y:本当は、一斉に決算発表するやり方を変えるといいのかもね。
T:そうだね。ただ、いずれにせよ、いちよし証券グループのような中小企業に特化したアナリストの目を借りて、好業績の中小企業を拾い上げる、いち早く有望銘柄を見つける手法は効果的だと思うよ。
(この項おわり。次回4/25「味と投資(その1)」を掲載予定)
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