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第212話 コロナ禍も影響…急速に進められる「GIGAスクール構想」

2020.07.08

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、公園で散歩をしながら投資談義をしているようです。


T:すっかり夏らしい天気になってきましたね。今日はどんなお話をしていただけるでしょうか。

神様:これまで企業のIT投資についてお話してきましたが、今、学校教育の現場でもIT投資が急速に進んでいます。「GIGAスクール構想」はご存知ですか?

T:はい。文部科学省が推進している施策ですね。GIGAとは「Global and Innovation Gateway for All」。児童や生徒向けに1人1台の教育用コンピュータ端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するもので、「誰一人取り残すことなく子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境を実現する」ことをうたっています。

神様:その通りです。令和元年12月13日に閣議決定された令和元年度補正予算案の中に経費として盛り込まれたものですが、その後、新型コロナウイルス感染の拡大が発生しました。教育現場においても、オンライン授業の推進、家庭学習による授業不足の補完、休校による教育格差など、様々な問題が起こりました。政府は、もともと2023年度までの達成を目標としていたものを前倒しで進めています。国、自治体、ICTサービスを提供する企業が一体となって急ピッチで進めているのが現状です。

T:以前、学校のICT環境の整備についてのお話 (第184話 学校パソコン「1人1台」時代へ 地域差解消の鍵は?) のときには、環境推進に地域差があることが問題でした。使いこなす教師などの人材の育成も問題点でしたね。「それがどのように変化していくのか?」が注目すべき点でしたが、コロナ禍によって、否応なく今すぐ対応していかなければならない事態になったということですね。

神様:コロナ禍でオンラインやデジタル化の有用性が大きくクローズアップされたことが大きいでしょうね。現在、教育用コンピュータの普及率は約5人に1台と言われています。不足台数は約950万台に上ります。前倒しで進めているとは言え、最終年度の23年度までに間に合うか、教育現場の改革が急がれますね。また、全校生徒が同時にネットを使っても問題のないように、高速大容量の通信環境の整備も不可欠です。政府は今年度中に、全ての小・中・高校・特別支援学校等で校内ネットワークを完備することを目標にしています。校内LANの完備に向けた動きも加速しますね。

T:それにしても、休校明けの感染防止対応や夏休みの短縮など、教育現場は臨時の対応に迫られていると思いますが、その上でICT環境の整備も進めなければならないとなると、本当に大変ですね。デジタル化によって、学校の先生をもう少し楽にさせるような、生産性の向上や効率化が図られればいいのですが。

神様:もちろん、そういった整備も進められます。「GIGAスクール構想」では、教育用コンピュータと通信環境の整備に加えて、電子黒板などのデジタル機器やデジタル教科書の活用推進、教員向けの校務支援システムの導入も進めます。これらにも政府の予算が計上されています。

T:とは言え、教育とは人間相手の仕事、人を育てる仕事ですから、単純に生産性や効率化といったことは言えないのでしょうね。校務支援システムなどの導入で少しでも余裕が生まれることを願いたいです。

神様:そうですね。まずは、教育現場のデジタル化が急速に進められているということはおわかりいただけたと思います。

T:はい。ここは、周辺のICT関連企業の活躍にも期待したいところですね。

(この項終わり。次回7/15「5G普及に向けて注目「ローカル5G」とは?」掲載予定)

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