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第213話 5G普及に向けて注目「ローカル5G」とは?

2020.07.15

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、下町の茶屋で冷茶を飲みながらの投資談義となりました。


T:ここ最近は雨の日が続いたり、気温が高くなったりと本格的な夏が近づいてきましたね。

神様:ここ最近は都内でも30度を超える日もあり夏が近づいていることを感じますね。さて今日は5Gのお話をしましょうか。昨年に5Gのお話をしたときのことを覚えていますか?

T:確か、5Gの普及に伴いより多くの基地局等の設置が必要となるという話 (第157話 いよいよ5G時代到来) でしたね。

神様:そうです。それと少し関連があるお話をします。

T:よろしくお願いします。

神様:一般財団法人電子情報技術産業協会(JEITA)によると、5G市場の世界需要額は年平均で63.7%の増加となる見通しで、その規模は2030年には168.3兆円と、2020年の実に20倍以上の伸びとなる予測を出しています。

T:特にIoT分野の伸びが顕著ですね。

神様:これまでお話してきた通り、IoT化がますます活発になることで、「スマートシティ」や「スマートファクトリー」といった、AIやIoTを積極的に活用し、生活の質の向上を図ったり、効率性や生産性を高める仕組みが登場します。

T:これらデータを見ると、10年後にどのような世界が訪れているのか、その変化を垣間見るようです。

神様:本当にそうですね。そして、その中でも注目されているキーワードがあります。「ローカル5G」をご存知ですか?

T:はい、聞いたことがあります。確か、企業や自治体が通信キャリアを介さず独自に5Gを導入、構築して活用する仕組みですよね。

神様:さすが、その通りです。注意が必要なのは、ローカル5Gはキャリア以外の企業や自治体を対象とした、“限られたエリア内”という条件でのみ利用できる免許制であることです。詳しくは総務省が「ローカル5G導入に関するガイドライン」を公表していますから、確認すると良いでしょう。

T:全国的に均一に5Gを提供するのは通信キャリアが担っていますが、それぞれの地域でそれぞれ独自に5G基地局を作って通信システムを構築することで、例えばある工場内の多くのケーブルが不要となったり、機器や装置のレイアウトの自由度が高まったり、また、特定の農地エリアで農作業の自動化が図られたりといったメリットが出てくるのですよね。

神様:そういうことですね。日本のIoT施策に欠かせない存在となるのではないでしょうか。JEITAによれば、ローカル5G市場の需要額見通しは、日本では年平均で70%以上の伸びを予測しています。2020年の予測で62億円の市場規模が、10年後には1兆円以上まで伸びると見込まれています。

T:ローカル5Gの基地局や通信システムの構築に関連するサービスが大きく伸びる可能性がある、ということですね。

神様:ハード面だけでなく、導入についての相談やコンサルティング等のサービスも増えるでしょう。また、2020年2月には、「特定高度情報通信技術活用のシステムの開発供給及び導入の促進に関する法律」が閣議決定されました。この法律には5G投資を促進させるための軽減税率が盛り込まれています。ただし、2022年3月末までに担当大臣の認定を受けた上で取得する必要がありますが、ローカル5Gの普及を後押しする材料であると思います。

T:まだまだ始まったばかりのローカル5G。これからの飛躍に注目したいです。

(この項終わり。次回7/22「途上国で伸びる空調機需要 求められる「省エネ」化」掲載予定)

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