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第242話 コロナ禍「タッチレス」でも注目 センサーの活躍増える

2021.02.24

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、梅の花が咲く公園を散歩しながら投資談義を行っています。


T:いよいよ、日本でも新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まりました。日経平均株価は3万円台を超えました。実に1990年8月以来となる高値です。

神様:米国では民主党が単独で追加経済対策を議会で承認するとの期待があります。また、日本では国内企業の業績改善への期待があります。ワクチン接種が今後の国内景気の回復に大いに貢献することへの期待も高まっていますね。

T:ようやくコロナ禍を乗り越えるときですね。本当に長かった。

神様:変異ウイルスも気になりますし、ウィズコロナはしばらく続きますから、引き続き感染対策をしっかり行っていきましょう。さて、アフターコロナではAIやIoTを始めとしたデジタル化が急速に進んでいくことが予想されますが、デジタル化にとって重要で、日本国内の企業が強みを持った分野があります。何かわかりますか?

T:センサーでしょうか?これまでにも、スマートフォンのカメラとして使われているイメージセンサ( 第219話 スマホカメラから広がる「イメージセンサ」活躍の場 )など、興味深い話がありました。

神様:さすがTさん、その通りです。デジタル化において重要な役割を果たすのが、センサーです。2020年12月に電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した統計によると、2019年のセンサー世界出荷額は、前年比で5.4%増の1兆9,899億円でした。これは、2009年と比べると2.5倍となっています。

T:センサーの出荷実績は2009年から右肩上がりで伸び続けていますね。

神様:改めてセンサーとは何か?と問われると答えることができますか?

T:え?センサーですか、そうですね…。例えばイメージセンサは、半導体を用いて光を電気信号に変えてデータ化しますよね。自動ドアにもセンサーが付いていますが、センサーが光線を出してその反射の変化を感知しているようですね。そういった光などを情報に変える機器、でしょうか。

神様:よくご存知ですね。センサーとは、物理的、化学的な現象を電気信号やデータに変換して出力する装置のことを言います。光、温度のほか、圧力や位置、音・超音波、磁界などの変化に対応して動作する物理センサーや、電気抵抗の変化を測定する化学センサーなどがあります。2019年の需要別センサー世界出荷実績を見ると、最も多く使われているのは、通信機器・スマートフォンです。

T:そう言えば、スマホにはイメージセンサの他にも、位置情報を測定するGPS、角度の変化を測定するジャイロセンサ―、スマホへの衝撃を測定して歩数などを計測する加速度センサーなど、様々なセンサーが搭載されていますね。

神様:今後は通信機器・スマートフォン以外での用途も広がっていくでしょうね。自動運転では、カメラが車の目の役割をすることは以前もお話ししました。ファクトリーオートメーション(FA)、つまり工場自動化においても、多様なセンサーが活躍します。最近では、教育環境のICT化を進めるGIGAスクール構想において、授業で教材としてセンサーが活用されています。

T:GIGAスクール構想については聞いたことがあります。センサーを使って光や温度などを測定し、プログラミングを学ぶ授業が行われているそうですね。素晴らしい取り組みです。

神様:コロナ禍においては「タッチレス」が注目されていますが、これを支えるのもセンサーの役割です。今後、センサーを活用した様々な「タッチレス」サービスが登場するでしょう。日本には、センサー技術に強みを持ち、世界的な高シェアを誇る企業も少なくありません。これらの企業が技術革新を重ね、さらに飛躍することを期待したいと思います。

(この項終わり。次回3/3「健康志向・食糧問題の解決も 注目集まる「代替肉」とは?」掲載予定)

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