第259話 コロナ禍を乗り越えられるか?コンビニは新しい成長期へ

2021.06.30

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、下町で抹茶を飲みながら投資談義を行っています。


T:今日はとてもおいしい抹茶をいただきました。最近日本でも抹茶を使ったお菓子などが続々と登場していますが、海外でもここ数年で抹茶が人気らしいですね。

神様:カナダや米国などで人気が出ていると聞きますね。

T:しかし、国内のお茶農家さんでは在庫が余っているところがあるそうです。本来なら、東京五輪の開催に合わせて訪れた訪日外国人に抹茶やお茶をアピールできる絶好の機会だったのですが、コロナ禍によりそれが叶わなくなりました。

神様:このまま進めばオリンピックは無事開催されるようですが、何とも残念な結果ですね。新型コロナウイルスの感染拡大は消費者の生活様式を大きく変えました。お茶もそうですし、観光や飲食だけでなく、私たちの生活に身近なコンビニエンスストアも例外ではありません。今日はコンビニの動向を探ってみましょう。

T:よろしくお願いします。

神様:まず、国内のコンビニ既存店の売上高を見ましょう。各社とも、第1回目の緊急事態宣言が発令された2020年4月に大きく落ち込んだことがわかります。

T:会社へ行く人や外へ遊びに行く人が減りましたから、特に歓楽街やオフィス街のコンビニは影響が大きかったでしょうね。

神様:その通りです。外出自粛が始まり新しい生活様式に移行した結果、そういった立地のお店は特に苦戦を強いられました。各社の中でも売上高の減少幅に差があることがわかりますが、これは店舗立地の違いが影響しています。例えばファミリーマートは店舗網が都市部や電鉄周辺に集中していたため、ネガティブな影響をより大きく受ける結果となりました。

T:なるほど。

神様:しかしその後、各社は新しい生活様式への対応を進め、2021年には売上を回復しています。

T:在宅時間が増えたことで、コンビニで購入されるものが変化しましたね。以前、巣ごもり消費で人気の高い食品について話しましたが( 第239話 コロナ禍で続く巣ごもり消費 カップ麺・袋麺が高い人気 )、人気が高い食品に注力する素早い対応が求められたのですね。

神様:まさにおっしゃる通りです。日本フランチャイズチェーン協会では、コンビニの統計動向を月次で公開していますが、2020年後半や2021年では、生鮮食品、惣菜、冷凍食品、調理麺、酒類などが好調で、客単価が前年を上回って推移していることがわかります。これは、在宅時間のために、それらの“まとめ買い”需要が高まったということですね。その需要を捉えることで、各社は売上回復につなげています。

T:今後は経済正常化により、都心部立地のお店も含めて売上は回復に向かうということですね。

神様:国内コンビニの回復も重要ですが、現在各社が”成長の場”としているのは実は海外事業です。各社とも、コロナ禍でも海外での店舗数は増加させており、業績拡大に向けた取り組みは進んでいると見ています。

T:確かに、店舗数で考えれば国内は飽和状態と言えるのかもしれませんね。海外事業ではどの地域が注目されるでしょうか?

神様:コロナ禍から消費の回復が早い米国や中国での事業は拡大が期待できると思います。コロナ禍を乗り越えた先には、海外事業を中心としたコンビニ業界の新しい成長期へと進んでいくことを期待したいと思います。

(この項終わり。次回7/7「「骨太方針2021」決定 危機的な少子化に打つ手はあるか?」掲載予定)

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