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第239話 コロナ禍で続く巣ごもり消費 カップ麺・袋麺が高い人気

2021.02.03

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、リモートで投資談義を行っています。


T:東京などの11都府県で2回目の緊急事態宣言が発令されましたが、外出する人が減らないようです。マスクをする、アルコール消毒をするなど、感染対策は徹底していると思いますが、大丈夫なものでしょうか?

神様:夜8時以降の外出自粛、終電の繰り上げなど、特に若い人たちが夜に飲食店等で感染することを防ぐことに重点が置かれていますね。だからと言って日中に感染しないわけではありませんし、昼夜問わず、不要不急の外出を避けることが大切ですね。今日は、巣ごもり消費についてお話しましょうか。Tさんは、総務省の「家計調査報告」はご存知ですか?

T:はい。総務省統計局では、世帯の収入や消費支出の状況を発表していますが、そのうち、二人以上の世帯における動向については毎月発表しています。

神様:新型コロナウイルスの感染拡大以降は「新型コロナウイルス感染症により消費行動に大きな影響が見られた主な品目など」をあわせて発表しているのですが、巣ごもり消費における消費行動の影響を見ることができ興味深いです。

T:巣ごもり消費と言えば、冷凍食品がよく買われていたり( 第199話 冷凍食品が過去最大の消費量に 要因は…? )、ホームセンターが人気だという話もありました( 第230話 コロナ禍「巣ごもり消費」で?ホームセンター人気の理由 )。

神様:今回は食品に注目してみましょう。2020年11月の新型コロナウイルス感染症に関連し大きな影響が見られた品目を見ると、麺類、特に即席麺が大きく増加していることがわかります。国内の二人以上世帯の麺類の2020年11月の名目支出額は、前年同月比で11.8%増の1,540円と、14か月連続で増加しました。感染拡大が顕著になった2020年2月以降、2ケタ増が続いています。

T:即席麺とは、カップ麺や袋麺などのインスタントラーメンのことですよね。うちの家庭でもそうですが、外出できない時に備えてストックするのに重宝していますし、すぐに調理ができて食べられるのでとても助かっています。最近は味もとてもおいしいですよ。

神様:コロナ禍での行動でも明らかになりましたが、いざと言う時のための食料品のストックとして、パスタなどの乾麺やインスタントラーメンが人気です。米やパンなど、他の穀類と比較すると、それがより明らかになります。

T:食パンや米もストックとして買ったと思いますが、違いがあるんですか?

神様:米やパンの2020年11月の名目支出額を見ると、米は前年同月比で6.1%減の1,847円で2か月連続の減少。パンは前年同月比で2.1%減の2,583円と9か月連続の減少です。米も、新型コロナウイルスの感染症拡大以降で需要は増えていましたが、昨年の秋以降は前年と比べて減少に転じています。パンについては、食パンはよく買われたかもしれませんが、全体として見ると、米や麺類とは異なりウイルス拡大以降は減少が続いています。

T:意外に感じましたが、菓子パンなどはコンビニで買って外出先で食べるなど、行楽や外出に影響されやすいかもしれませんね。また、パンの専門店ではパンを個別包装にするなど、売り方に非常に苦労しています。米については、家計支出とは別ですが、外食機会の減少による米余りが深刻化していますし、どちらも負の影響が大きいように思います。

神様:麺類は生産も好調です。日本即席食品工業協会によると、2020年9月の国内の即席麺類の総生産額は前年同月比で5.2%増の523.1億円と7か月連続の増加。需要が減少傾向にあった袋麺の生産も回復しています。巣ごもり消費が続く中で、しばらく麺類の高い人気が続くことになりそうですね。

T:今後の影響も気になります。家計調査をしばらく追ってみるのも参考になりそうです。

(この項終わり。次回2/10掲載予定)

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