第281話 コロナ禍”正念場”越えた?建設業界に受注回復の動き

2021.12.15

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、海の見えるカフェで投資談義を行っています。


T:新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」による感染者が世界中で相次いで発生しています。日本でも主に海外渡航者から発見されていますが、この変異株の詳しい性質がわかっていない中、今後の状況が心配です。

神様:世界中で感染拡大が懸念されていますが、慌てず感染対策をしっかり行いつつ、様子を見るしかありませんね。

T:回復しつつある経済活動が停滞しなければいいですが。

神様:こんなデータがあります。12月1日に経済協力開発機構(OECD)が公表した最新の経済見通しによると、2021年の世界全体の経済成長率は5.6%と、前回9月時点の予測に比べて0.1%ポイント下方修正されました。これは、エネルギー価格の高騰や世界的な供給面の混乱が要因とされています。

T:コロナ禍の間接的な影響とも言えますね。

神様:供給面の混乱は2022年には徐々に解消していくものと思われます。2022年を国別で見ると、日本の経済成長率は3.4%で、前回の予測から1.3%ポイント上方修正されました。これはワクチン接種の著しい進展と感染率の低下によるもので、消費の伸びをけん引すると見られます。日本は、2022年に経済成長が加速する数少ない国として注目されるかもしれません。

T:現在の感染率の低下は、国民みんなの努力の賜物ですね。何とかしてこの状況を続けていきたいところです。

神様:さて、今日は最新の建設業界の動向を見てみましょう。

T:前回は2020年全体と、2021年1月から2月を見ました( 第251話 コロナ禍は今が正念場 建設業界の動向を探る )。まさにこの時が正念場であり、感染拡大をしっかり抑え込むことが、今後の大型受注につながるとのお話でした。

神様:今回は2021年4月から10月について見てみましょう。建設大手50社の建設工事受注総額を見ると、前年同期比で11.1%増の7兆1,623億円となりました。

T:見事に増額しましたね。

神様:受注の内訳を見てみましょう。国内が前年同期比で10.7%増の7兆589億円、海外は前年同期比で48.4%増の1,033億円でした。新型コロナワクチンの接種が進み、経済活動が正常化しつつあることで、国内では住宅建設や設備投資などの民間建設投資が回復しています。そして海外では、外出制限の解除で商談が進みました。これらが受注増の背景と見られています。

T:海外については、オミクロン株が心配です。まだしばらくは不安が続きそうですね。

神様:しかし、建設大手50社の2021年9月末時点の手持ち工事高が2020年9月末比で10.4%増の18兆8,819億円です。手持ち工事量の解消に必要な期間を表す、手持ち工事月数も高水準な状況です。建設会社にとっては、高水準の手持ち工事高を背景に業績の向上が期待できると思います。

T:なるほど。

神様:以前もお話したように建設業界では、今後は都市再開発や国土強靭化、2025年開催予定の大阪・関西万博関連施設など、大型工事の受注獲得が相次ぎ、すでに多くの受注が発生しています。正念場を乗り越え、感染者数の増加を抑えている日本。2022年は日本の経済成長が加速することに期待したいですね。

(この項終わり。次回12/22「実用化はいつ?次世代コンピュータ「量子コンピュータ」とは?」掲載予定)

PAGE TOP