第298話 次世代自動車「xEV」急速に普及へ 鍵となる技術とは?

2022.04.20

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、都内ホテルのラウンジで投資談義を行っています。


T:4月4日から東証で新市場区分がスタートしました。これまでの市場第一部、市場第二部、マザーズ、JASDAQの4つの市場区分が「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」の3つに再編されました。今後はどのように変化するのでしょうか?

神様:市場再編の背景には、東証一部市場で上場企業の数が増えすぎたため、質の低下が起きたこと、新興市場で複数の市場が存在し、わかりにくかったことなどの課題を解消する目的がありました。

T:市場再編に対する変化があまり感じられないとの声もあるようですね。

神様:まだ始まったばかりです。再編の真の効果を見る機会は、新規上場銘柄(IPO銘柄)にあります。例えばグロース市場では、成長性を訴求する銘柄の新規上場が相次ぎ、評価されれば、プライム市場が活性化するとみられます。4月4日以降で2銘柄がグロース市場へ新規上場し、ともに初値は公開価格を上回りました。プライム市場も、海外機関投資家を呼び込めるような魅力的なIPO銘柄の登場が待たれます。

T:なるほど。今後のIPO銘柄に注目したいと思います。

神様:さて、今日は自動車の話をします。現在、地球温暖化、エネルギー問題、ESG投資などを背景に、世界的に電動自動車(EV:Electric Vehicle)へのシフトが加速しています。矢野経済研究所が2021年に公表した調査によると、2030年には世界の自動車販売台数のうち過半数が次世代車(xEV)になると予測しています。

T:あと8年で、EVが急速に伸びるということですね。

神様:ところでTさんは、次世代車「xEV」とは具体的に何か、説明できますか?

T:はい。電動自動車(EV)には4つの種類があります。バッテリーを搭載して電気で動く電気自動車(BEV)、バッテリーによる電気のほかガソリンでも走るハイブリッド自動車(HEV)、ハイブリッド自動車のうち外部から充電できる機能を持つプラグイン・ハイブリッド自動車(PHEV)、そして水素などの燃料電池による電気で走る燃料電池自動車(FCEV)です。これらの総称として「xEV」と呼ばれています。

神様:さすが、その通りです。ところで、EV普及への課題点として「航続可能距離」があります。EVの普及がさらに加速するためには、1回の充電で走行できる距離が伸びることが重要です。

T:以前、リチウムイオン電池の開発が進んでいる( 第258話 「グリーン×デジタル」日本強み持つリチウムイオン電池に期待 )ことについてお聞きしました。車載用のリチウムイオン電池がもっと大容量化すれば航続距離も伸びますから、ここがポイントですよね。

神様:もちろんリチウムイオン電池の開発も大切ですが、施策はそれだけではありません。例えば車体の軽量化です。車体に使用される金属を、金属より軽い樹脂にすることで軽量化を実現できます。樹脂は金属より複雑な形状も成形できます。部品と部品を複合化または一体化することで部品点数を減らしたり、小さくすることもできます。省スペース化やコストダウンにもつながるでしょう。一方で金属と同様に厳しい環境下でも使用できることが条件として求められます。

T:なるほど。車体が軽いほど省エネになりますから、軽量化も重要なポイントですね。

神様:また、忘れてはならないのが熱マネジメントです。EVはガソリン車と異なり熱源を持ちません。電池やモーターなどで最適温度に保ち、EVの本来の性能を発揮させることと平行して快適な空調を実現する必要があります。現在、そのような統合型の熱マネジメント技術に注目が集まっています。

T:リチウムイオン電池だけでなく車体の軽量化や熱マネジメントシステムの開発などが進むことで次世代EVが急速に普及していくのですね。これらの分野には日本の強みとなる企業が数多くあります。これからの活躍に期待したいと思います。

(この項終わり。次回4/27「”景気指標”建設機械の出荷好調が続く ロシア制裁の影響は?」掲載予定)

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