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第203話 新型コロナウイルス拡大 注目される「巣ごもり消費」

2020.04.29

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、神様とTさんがインターネット会議システムを使って投資談義をしています。


T:新型コロナウイルスの感染拡大が続き、政府は全国に緊急事態宣言を発出しました。全国一律に5月6日まで外出自粛が求められています。また、世界的にも外出制限などが広がっています。経済活動の停滞や企業業績への影響は避けられない状況です。ここはどのように考えるべきなのでしょうか。

神様:Tさん、こういうときこそ、目の前の株価に一喜一憂するのではなく、落ち着いて状況をしっかり確認することが大切です。まずは今、どのような変化が起こっているのかを確認しましょう。

T:変化、ですか?

神様:まずは、ライフスタイルの変化です。各地でイベントの中止が相次ぎ、不要不急の外出の自粛により、企業によっては在宅勤務、テレワークが奨励されています。休日には、観光施設や行楽地が臨時休業を実施しています。国土交通省による観光関連産業への影響についての調査結果では、旅行業では3月、4月の予約数が前年同月比で約7割減少したと公表されました。

T:飲食店も大きな影響が出ています。居酒屋などでは臨時休業を行い、飲食店によっては閉店や廃業を余儀なくされるところも出ています。

神様:多くの人々は、平日・休日に関わらず、自宅で過ごすようになりました。それによって、消費支出が変化しました。自宅で過ごす時間が増えたことで「巣ごもり消費」が拡大しています。室内で動画やゲームを楽しんだり、食事も宅配サービスを利用したり、買い物もインターネット通販を利用するなど、お金の使い方や使い先が変化しています。

T:確かにそうですね。私も昼食時、テイクアウトができるお店をよく利用するようになりました。この状況の中で、ファーストフード店などのチェーン店へのニーズは高まっていると言えるかもしれません。また、テイクアウトのほかに「デリバリープラットフォーム」を利用する人も増えた (第181話 UberEATSで話題 成長する「出前」サービス市場) ように思います。

神様:インターネット通販のニーズも高まっています。既存のネット通販サービスはもちろんですが、Eコマースを展開する顧客の配送センターや受注管理を代行する企業の登場により、Eコマース参入への敷居はますます低くなっています。ちょうど、電子マネーや電子決済など、現金を使わない支払い方法が幅広く普及したタイミングでもありました。物流サービスも稼働していますし、このような危機時にもきちんと利用できる安心感には、今後のさらなる発展を期待できるのではないでしょうか。

T:それから「巣ごもり消費」と言えば、動画、ゲームや漫画などのエンターテインメント分野はニーズが強いですね。以前から、2020年は動画配信サービスに期待したい (第189話 2020年は「繁栄」の年 動画配信サービスが飛躍) と話していましたが、これは巣ごもり消費にもマッチしており、この傾向を強める形となっています。

神様:そして通信分野では、5Gサービスが日本でもスタートしました。インターネット会議システムの利用の増加、オンライン診療のスタート、Eコマース、インターネット動画やゲームの利用など、現在大きくニーズが拡大しているこれらのサービスに寄与していくこととなるでしょう。

T:ライフスタイル、消費支出先は変化しましたが、過去に私たちが今後の成長が期待できると話していたところが、今活躍しているようにも思います。

神様:その通りです。現在は緊急事態ですから、目の前の厳しい経済情勢に注目が集まるのは仕方のないことです。しかし、そこだけを見ていては、前向きな視点は得られません。どのような変化が起こっているのかを、冷静に見ていきながら、引き続き頑張っている企業を応援していきましょう。

(この項終わり。次回5/13「「あおり運転」罰則化へ ドライブレコーダー需要が急増中」掲載予定)

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