第221話 新型コロナの影響は?建設業界の動向を見る

2020.09.16

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は下町にある喫茶店で投資談義をしているようです。


T:9月に入り、若干暑さが和らいだような気がします。しかし台風や豪雨災害が毎年のように発生していますね。

神様:特に九州地方では、7月の豪雨災害の傷が癒えぬ内に台風が訪れるなど、厳しい状況が続いていますね。

T:今年は新型コロナウイルスもありますし、夏を乗り越えるのが本当に大変になりました。

神様:今回は建設業界についてお話しましょうか。建設業界を見るとき、Tさんはどのように分析しますか?

T:以前、家族とも話したことがあります (第158話 建設業と東京五輪) 。建設会社を分析するには、今後の仕事をどれだけ獲得しているかを表す「手持ち工事高」や「受注高」といった指標を見るようにしています。要するに、今着手している仕事と今後着手していく仕事の増減ですね。

神様:そうですね。良いと思います。最近の建設業界の動向については、どのように考えていますか?

T:新型コロナウイルスの影響はあるように思います。しかし今後の見通しとなると、なかなかうまく述べるのが難しいです。冒頭の話に戻りますが、命に関わる自然災害が毎年のように起こる中、国土強靭化、それに伴う土木関係工事は急を要する施策です (第164話 「防災・減災、国土強靱化」の注目企業は?) 。その他にも、都心では渋谷などで鉄道を含めた大規模な再開発が進んでいます (第173話 少子化・ニーズ減少…鉄道事業の「変革」) し、今後は2025年の大阪・関西万博関連の工事も獲得が期待されますね。

神様:おっしゃる通りです。具体的に見ていきましょう。国土交通省によると、2019年度(4~3月)の建設大手50社の建設工事受注総額は、前年度比5.9%減の14兆9,285億円と4年ぶりに減少となりました。背景には、消費増税前の駆け込み需要の反動や新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響があると考えられます。内容を見ると、建築工事は住宅や工場・発電所、事務所・庁舎の減少で前年度比10.6%減の9兆8,813億円と9年ぶりに減少。一方で、土木工事は鉄道、上・下水道の増加で前年度比5.1%増の5兆472億円と、こちらは2年ぶりに増加となっています。

T:土木工事は増加傾向なのですね。

神様:2020年度を見てみましょうか。2020年4~6月の建設大手50社の建設工事受注総額は、前年同期比11.7%減の2兆4,284億円となりました。こちらはやはり新型コロナウイルスの影響です。世界中でロックダウンなどの外出制限や外出自粛が起こり、商談自体がストップしたことが要因でしょう。

T:建設関連の商談をすべてリモートワークで、というのは難しそうですね。今後は、世界的に経済活動が回復していけば、受注も回復していくということですね。

神様:そうであると思います。また、2020年5月末時点での建設大手50社の手持ち工事高は前年同月末比1.8%減の17兆4,405億円と高水準を維持しています。こちらは工事が順調に進めば業績に貢献するはずです。

T:手持ち工事高が高水準を維持しているのが救いですね。コロナ禍が収束し、徐々に経済活動が回復していくことを願います。そして国土強靭化や大阪・関西万博関連の受注獲得につなげたいところです。

(この項終わり。次回9/23「「空の産業革命」へ前進 ドローンが見せる世界」掲載予定)

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