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第200話 新型コロナウイルス感染拡大 存在感高める企業とは?

2020.04.08

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんが在宅のため、インターネット会議システムを使い投資談義をしています。


T:神様、聞こえますか?ちゃんと映っていますか?

神様:大丈夫です。聞こえていますし、Tさんの姿も見えますよ。

T:よかったです。新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大しています。東京オリンピックも延期となりましたし、かつてない事態ですね。

神様:目に見えない、未知のウイルス感染の脅威を目の当たりにしていますね。世界的に、感染者数も死者数も増加しています。マスクの供給が足りなくなったり、医療の現場の大変さなどが多数報道されていますね。

T:世界が一つになって、このウイルスに勝たなければなりませんね。私にできることは何でしょうか?

神様:まずはこまめな手洗い、そしてうがいです。私が答えられるのは投資についてですから、そのヒントをお伝えすることはできるでしょう。

T:後発医薬品 (第151話 医療分野で期待の後発医薬品) 、インフルエンザ (第141話 インフルエンザと株) や認知症 (第147話 認知症対策と投資 ) など、これまでも、医療分野については数々のお話をお聞きしてきました。

神様:そうですね。今回の新型コロナウイルスの場合、治療薬がまだありません。現在、世界中で治療薬の開発が渇望されています。

T:そうなると、応援するのはやはり製薬企業なのでしょうか?

神様:製薬企業はもちろんですが、今後の成長が期待されているのが、製薬企業を支えるCRO(医薬品開発業務委託機関)です。

T:CRO、初めて聞きました。

神様:世界的に、新薬の開発競争は激化しています。製薬会社には難易度の高い医薬品の開発力や、開発スピードが必要となっているのです。そんな状況の中で製薬会社をサポートしているのが、CROといわれる、新薬開発に伴う治験や安全性情報管理などをサポートする事業です。昨今の競争激化により、CROの存在感が高まっています。

T:CRO事業の市場規模も伸びているんですか?

神様:日本CRO協会によると、加盟会員の2018年における総売上高は前年比1.2%減の1,901億円でした。ただし、減少の要因は医薬品分野に含まれない事業での落ち込みによるものです。医薬品分野だけを見ると、前年比2.8%増の1,740億円と堅調に推移しています。

T:なるほど。

神様:特に、CRO業務の中で比率を高めているのが、安全性情報管理サービスです。医薬品に関して発生した副作用などの情報を管理するものですが、業務が多岐にわたるため、委託の需要が高いです。安全性情報管理サービスの2018年の売上高は前年比8.1%増の196億円で、CRO市場における構成比率も前年比0.5%ポイント増の10.2%に上昇しました。

T:とても重要な分野に思います。新型コロナウイルスのほかにも、がんや認知症などの新薬開発での需要も期待できますね。私がどんな応援ができるのか、製薬企業やそれをサポートする企業を調べてみようと思います。

(この項終わり。次回4/15「9年連続で成長中 拡大が続く「中食」市場」掲載予定)

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